世界のおいしいズワイガニを、日本の技術で加工して逆輸入。

インドネシアに加工拠点を置いて、ズワイガニのむき身の棒肉を商品化。
日本、ロシア、アラスカ、カナダで仕入れた良質のズワイガニだけを、おとどけしています。

味・素材

世界各地の良質なズワイガニを集め、インドネシアでむき身の商品を生産しています。それを大井埠頭へ届け、お客様のもとへ。

味・素材

設備など

インドネシア・スラバヤの工場で、日本の指導者のもと日本の衛生管理基準を遵守し、約300人の現地スタッフが働いています。

設備など

仕事人

世界のズワイガニを、
世界で加工する。

株式会社冷水 執行役員 常務取締役 菅野富夫

海を越えて素材を運び
日本の技術で加工する

株式会社冷水は、ズワイガニの加工・製品化をするとともに、海産物の冷凍・冷蔵保管や倉庫管理を請け負う会社。気仙沼で保管管理業務を行う傍ら、ズワイガニの加工拠点をインドネシアに置く。
小売り業ではないため馴染みは薄いかもしれないが、生産するズワイガニ製品は年間500トンにも及ぶ大手である。
執行役員で常務取締役の菅野富夫さんに話を聞きに行った際、見せてもらった見本のズワイガニは、足のむき身で、いわゆる棒肉。これが1袋にぎっしりと詰まっていた。思わず、喉がゴクリと音を立てた。この状態の「商品」にするまでの加工作業をインドネシアで行っている。
「ズワイガニは、ロシア、アラスカ、カナダ、日本で良質のものを仕入れ、インドネシアのスラバヤにある工場へ直送します」とのこと。そして、工場ではおよそ300人の現地スタッフの手で、加工を行っている。日本の衛生管理体制をきっちりと守るために、気仙沼からつねに2〜3名の社員が出向いて指導を行っているが、これは一度の出張が1〜2か月にも及ぶ大仕事だ。
また、お得意先やこれから取り引きを始めるというお客様を連れて出向くこともある。「万全の品質管理体制を直に見てもらうことで、さらに信頼関係が深まります」と菅野さんは語る。
スラバヤの工場で加工・包装されたズワイガニの商品は、東京の大井埠頭へ運ばれ、保管されて、ここからお客様のもとへ届けられる。「お客様」とは、主に市場や、問屋や、大手飲食チェーン会社などで、ズワイガニはこうして日本全国の店頭・店舗から、私たち消費者のお腹へとやってくる。
余談になるが、加工場があるインドネシア第2の都市・スラバヤの「スラ」とはインドネシア語で「サメ」を意味し、「バヤ」はワニのこと。昔々、サメとワニが最強の動物の座を争ったという神話から付けられた名前なんだとか。サメの街・気仙沼にふさわしい素敵な縁を感じる。

「すぐに行動」することは
夢に近づく近道かもしれない

菅野さんは毎日、常務取締役としてのデスクワークや現場での荷役作業など、さまざまな業務をこなす多忙の身。ご本人曰く、「すぐに行動しないと気が済まないタイプ」とのことで、活動的な毎日を送っている。
冷水の高い評判は、モノがいいだけではなく、対応の良さにもある。「お客様を待たせない主義」を貫く菅野さんのモットーが、そのまま会社の評価につながっているようだ。
仕事を離れての菅野さんは、アマチュア無線愛好家の一面を持つ。学生時代のクラブ活動時代からというから、筋金入り。今も地元のアマチュア無線クラブに所属していて、時おり車で小高い山などへ出かけ、車に積んである無線機で交信を楽しんでいるそうだ。
お酒はほとんど飲まないが、将来、第2の人生で、ひとつの夢がある。それは、飲み屋さんをやること。「10人くらいでいっぱいになるような小さな居酒屋。店で使う器は全部自分で焼いて、地元気仙沼の魚を安くふるまう。儲けは二の次でね」。もしやそこのメニューに、あのズワイガニが並ぶと思うと、ふむふむ、これはぜひ行ってみたいと思う。
現在、菅野さんは陸前高田の仮設住宅に奥さんと長男と3人で暮らしている。仙台で学生生活を送る一人暮らしの次男の住まいに時々出かける。その道すがら、住宅展示場があったりすると、立ち寄って見てまわるのも楽しみのひとつだ。新居を構える、来るべきその日のために、設計図はもう菅野さんの頭の中にできあがっている。